大庭理容店

大庭理容店:大庭初男さん


福吉のおすすめ

「二丈岳」見晴らしがよく、気軽に登れる山です。

取材日:2021年3月10日

おばあちゃんの散髪も高校生の剃り込みも。地元で4代続く理容店は笑い声が絶えない

「生まれも育ちも福吉。私で4代目だし、誰かが跡を継がないといけないと分かっていたので」と話すのは大庭初男さん。

理容師として福岡市内や静岡県で働いた後、2006年に福吉に戻ってきました。

お客さんは地元の人が多く、親子3世代で来てくれている人、大庭さんの友達やその子どもたちも来てくれて、地域の人に生かしてもらっているという感謝の思いは強いと言います。

小中学校の頃に来ていた子が大学進学や就職で福岡市や県外に出て店に来なくなると寂しく思う時もありますが、中には帰省の度に散髪に来てくれる子も。

その子のおばあさんも常連なので、「おばあちゃんと同じ髪型にする?と聞くといつも『いいえ結構です』と断られちゃうんですよ。ワハハ」と大庭さんは明るく笑います。

「友達と試験の点数で賭けをして負けたから剃り込みを入れてください」「春休みの間だけ髪を染めてください」と来る高校生や、高校の卒業式が終わった後すぐに来て髪を染めていく子もいたと笑顔で話します。

元気いっぱいだった高校生たちが落ち着いた社会人になった姿を見ると成長を感じます。

飯塚市から来たというカキ小屋帰りの酔っぱらった人がふらっと入ってきて、長い髪を坊主くらいまで短く切って帰って行ったことも。

しかも翌年も同じように髪を切りに来たそうです。

取材当初は「面白い話なんてないなあ・・・」と言っていた大庭さんですが、エピソードがどんどん出てきます。

「生まれた時から来ている」というお客さんが来店しました。昔近所に住んでおり子どもの頃から通っているそうです。

「いつもの長さでいい?」「いつもの色でいい?」と尋ねる大庭さん。

「いつもの」という言葉に、通っている期間の長さが伝わります。

笑いながら会話を交わしますが、はさみを握る大庭さんの表情は真剣です。

地元の消防団に所属して22年目。

「みんなの財産を守らないかんという思いは当然あります。それと世代の違う人たちと出会い、一緒に訓練をして、その後お酒を飲み交流が持てることはありがたいですね」。

消防団は大庭さんが仕事と同じように、地域とのつながりを感じる場となっています。

「地元に戻ってきてよかったと思うことは、やはり気持ちが落ち着くことだね。子どもの頃は小さな商店がいくつもあったんよ。同級生の親がやっていた店もあった。おいしい店や面白い親父がいる店もあって・・・」と懐かしそうに話す大庭さん。

「歳を重ねてあの店の親父の気持ちが分かるようになってきたなあ。ワハハ」と終始笑い声の絶えないインタビューになりました。

一言PR

福吉校区内はお電話いただければ送り迎えします。