長浜ラーメン・スナック妃

「長浜ラーメン」・「スナック妃(つれあい)」
松藤 悦子さん


福吉のおすすめ

喜八荘の料理は地元の魚と野菜を使っていて、新鮮でおいしいですよ。
海が見えるお風呂もおすすめです。

取材日:2021年3月7日

再起を支えてくれた人に感謝の心で恩返し。看板ママがもてなす「地元の集会所」

「ただいま」。

そう言ってお客さんが入ってくる「長浜ラーメン」と「スナック妃(つれあい)」。JR大入駅のすぐ北側、国道202号線沿いに建ち並び、地域に愛されている2店です。

並んで店を構える「長浜ラーメン」・「スナック妃(つれあい)」

昼はラーメン店、夜はスナックと、切り盛りするのは「えっちゃん」こと松藤悦子さん。夫の一基さん、娘のこずえさんと一緒に料理を作り、接客もこなす看板ママです。

松藤悦子さん。慣れた手つきでラーメンを作る。

松藤さんが店を始めたのは1977年、28歳の時でした。当時働いていたラーメン屋の経営を引き継いだのがきっかけでしたが、それまでなかなか客の入らない店だったこともあり、周囲の人からは「素人がやってうまくいくはずない」と反対されたと言います。

それでも懸命に働いているうち、少しずつ客足が増加。「私はここが地元やけん。地元のみんなに随分助けられたんですよ」。当時のことを懐かしむように松藤さんは目を細めます。

努力のかいあって、13席しかない店舗が手狭になるほど繁盛し、食堂を新たに増築。お客さんの「お酒を飲める場所がほしい」という声をきっかけに、スナックもオープンしました。

ほっとするような素朴な味わいが魅力のラーメン。

順調に常連客が増えた矢先の1989年、思いもよらない出来事が起こります。それは深夜の火事。「全部なくなってしまってねぇ。そりゃあもう悲しかったですよ」と松藤さんは語ります。

どん底の状況に救いの手を差し伸べてくれたのは、お店のお客さんや地元の人たちでした。多くの人が自主的に片付けの手伝いに駆け付け、「負けたらいかんよ」「一緒に頑張ろう」と声を掛けてくれました。

その温かい励ましに感激した松藤さんは、応援に応えるべく、火事の2日後から別の店舗を借りて営業を開始しました。ラーメンの調理器具がなく、定食のみの提供でしたが、できることをしたいという気持ちが松藤さんを突き動かしました。それまでラーメンを食べに来てくれていたお客さんの食事の場をなくしてはいけない、という思いも大きな理由でした。借金をして、火事の翌年には以前と同じ場所にラーメン店とスナックを新築し、両店とも同時にオープンしました。

なぜそこまで頑張れたのか尋ねてみると、「不安もあったけど、またラーメン食べたい、妃で飲みたいって言ってくれる人がたくさんいたけん。それに、片付けを手伝ってくれたみなさんに感謝の気持ちでいっぱいで、何か恩返しがしたくてね」と、波乱万丈な半生を感じさせないほど、屈託なく明るい笑顔が返ってきました。この笑顔に引き寄せられるように、親子3代にわたって店に通う人も多いそうです。

常連客で賑わう「長浜ラーメン」店内。

「感謝」と「恩返し」の言葉どおり、松藤さんはお客さんにとことん寄り添います。

忙しく動き回りながらもお客さん一人一人に声を掛け、「できるまでちょっと待っとってね」「いつもありがとう」とにこやかにほほ笑みます。ときには弁当やオードブル作りをこなすことも。睡眠時間を削るほど慌ただしいときもありましたが、「喜んでもらえるけん、よかよか」と笑い、お客さんからの要望にせいいっぱい応えます。

そんな松藤さんに、来店したお客さんが「えっちゃん、疲れとうやろ。ちょっと休憩しとったら」と気遣いの声を掛けたり、「これ店で使って」と地元の魚や野菜を持ってきてくれたりすることもあると言います。

「やっぱり人が一番大切やもんね。ここはね、華やかな雰囲気で接客をするようなスナックじゃないんですよ。エプロン掛けで接客する、地元の集会所みたいなお店なの」。

と松藤さんは語り、これからも地域の交流の場として頑張り続けたいと言います。その姿はまるで「福吉のお母ちゃん」です。

優しく包み込んでくれる「えっちゃん」の笑顔に会いに行ってみませんか。

「スナック妃」店内
お弁当(要予約)

一言PR

「お弁当(500円〜)、オードブル(5000円〜)もやってます。
その他お気軽にご相談ください。」