大入長屋・そば打ち楽土:光武 修務さん、孝子さん

粗挽きそばに魅せられ、長屋の仲間と第二の人生を楽しく歩み出す

手打ちそばとそば打ち体験が楽しめる、完全予約制のそば打ち楽土。店主の光武修務さんが二丈上深江のそば打ち道場「いきの会」に出会い、そばに魅せられたのは約20年前の35歳の時でした。5年間通ううちに、そば打ちの楽しさにのめりこんでいった修務さん。会社員として勤務を続けながら、自宅で知人に手打ちのそばをふるまったり、そば打ちを教えたりしていましたが、そばへの情熱は増すばかりでした。

 

「もっとそばに打ち込もう」と、2018年そば打ち体験の拠点を大入の古民家に移すことに。2022年10月からは、修務さんが手打ちした粗挽きそば膳も食べられるお店になりました。

 

「粗十(あらじゅう)そば膳」の粗十そば。つぶつぶ感が混じる少し太めの麺が特徴。修務さんこだわりの器に盛られ提供される。

 

「そば屋は他にもあるけど、ここまで粗挽きなのはこの辺りではまだ出会ったことがない。他の人と同じではつまらないですから」と、記憶に残る体験や独自性を大切にしている修務さん。店内では粗挽きでしかも十割の「粗十そば」を堪能できます。

 

さっそく味わってみました。繊細なそばの香りにぴったりの、昆布粉を混ぜた対馬の藻塩を最初にパラリ。粗挽きにするほどつなぎが難しくなるため、切れないようにそっと持ちあげます。

 

そばはつるっと喉越しがよいイメージがありますが、粗挽きの十割そばはしっかりとした食べ応え。そして噛むほどに弾けだすそばの香りは、そばつゆや薬味にも負けない存在感が。「嚙んで味わうそば」はおいしく、記憶にもしっかり残る一品でした。

 

 

 

予約制のそば打ち体験は若いカップルや女子グループに人気で、下関や北九州など遠方から訪れる人もいます。

体験の後は、自分で打ったそばをメインにした、そばがきやそばの実雑炊がついた御膳を食べられます。その後も落ち着いた色味の家具や選び抜かれた器が並ぶ店内で、そばちょこを選んで買ったり、近くの海辺を散歩したり。楽土のそば打ち体験は、時間がゆったり過ぎていくのが魅力です。

 

 

磁器も陶器も並ぶ。すべて修務さんが集めて展示・販売している。

 

 

「福吉観光のひとつとして『そば打ち体験』を組まれる方もいますよ」と話すのは妻の孝子さん。

2人の出会いは2014年、糸島市内の婚活イベントの料理教室でした。現在は孝子さんが婚活成功者として「いとしま出会いサポートセンター JUNOALL」の相談員をしていることもあり、楽土でも婚活イベント「恋するそば打ち体験教室」を定期的に開催しています。

 

協力しながらそばを打ち、出来立てのそばを一緒に食べ、福吉の海や林を散歩しながらの交流タイム。一緒に同じ体験をすることで自然と会話も弾みます。「いつかここからカップルが成立して、一緒にそばを食べに来てくれたらうれしい」と2人の夢を語ってくれました。

 

 

仲睦まじいご夫婦と、1歳の楽くん

 

修務さんが楽土を営むのは大入駅から徒歩7分の「大入長屋」という古民家。「楽しいことや好きなことをしよう」という長屋のコンセプトに共感した人々が、ルームシェアして活動している空間です。入居者の活動は、陶芸体験・ボディケア・めだかの販売など多種多様。キッチンやリビングも共有しており、曜日によってお店が変わるのも長屋の特徴です。

 

実は、「大入長屋」を作ったのは修務さん。2018年に同世代3人と「やりたいことをやろう!」と長屋を立ち上げました。それぞれのお店の雰囲気を尊重し「部屋は自由に使ってほしい」との思いが人を呼び、現在は満室です。

 

 

開店準備中の部屋。築60年の和室が、DIYで明るい洋風に様変わりして、驚くこともあるそう。

 

「電車でも通えて海や自然が近い立地と、懐かしい雰囲気を気に入って、入居されているようです」と修務さん。現在の長屋のメンバーはもちろん、独立のためにここを「卒業」して福吉で頑張っている仲間は、光武夫妻にとって心の支えになっています。

 

「何より大事なのは人生を楽しむこと、幸せを感じること」というオードリーヘップバーンの言葉を大切にしている修務さん。自由で個性的な仲間と共に、そば職人の新たな挑戦が始まっています。

 

 

修務さんの好きなオードリーヘップバーンの言葉が、玄関先に飾られている

 

 

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個性あふれるお店が集まった「大入長屋」で、記憶に残る体験を!
福岡県糸島市二丈福井2850
090-8223-0732

https://dainyunagaya.amebaownd.com/

 

【そば打ち楽土】前日17時までに要予約 

https://rakudo-soba.amebaownd.com/

 

【コンサルティング 株式会社 たらいの水】

【プライベートヨガ & タイ古式ボディケア harmonian】

【ゆるまる整体 巡る】

【めだか屋 二足のわらじ】

【陶芸 工房わらし】 ※2023年4月open予定

福吉のおすすめ

大入長屋すぐの「夕日の小径」の看板から、森を通って海へ抜ける散歩。夕陽がきれいなのはもちろん、いつでも気軽に自然を感じられてお気に入りの場所です。

【取材日】2023年1月10日