海、山、人が魅力の福吉で「地元の人になりたい」 柔道整復師の育成にも尽力する接骨院
J R筑肥線福吉駅前にある勝田接骨鍼灸院は、2017年4月に勝田淨邦さんが開業し、骨折、脱臼、挫傷、捻挫などの治療を行っています。
院長の勝田さんは1982年から2000年まで地元の鹿児島県で整骨院を営んでいましたが、福岡県にある柔道整復師を養成する学校で教員を務めることになり、43歳の時に糸島市波多江に引っ越してきました。60歳の定年まで福岡市早良区西新や佐賀県鳥栖市で教鞭をとりながら、関係施設で施設長も兼任してきました。
定年後は鹿児島に帰ることも考えましたが、約15年間の福岡生活で福岡の良さを実感し、2017年に海も山も近い福吉に移住しました。
元プロ野球選手の馬原孝浩さんは九州医療スポーツ専門学校の教え子
現在も週1回、非常勤講師として北九州市の九州医療スポーツ専門学校柔道整復学科で柔道整復学と必須科目である柔道を教えています。以前は母校の柔道の監督を目指していた勝田さんは柔道6段を保有しています。
整骨院と接骨院はどちらも柔道整復師という国家資格を持った人が施術しており名称が違うだけで施術内容は同じです。柔道整復師は「ほねつぎ」とも言われていて字の通り「骨を接(つ)ぐ」という意味があります。生徒に柔道整復学を教えていく中で、歴史ある「ほねつぎ」が持つ意味を大切にしたいと思い、2021年3月に院名を整骨鍼灸院から接骨鍼灸院に変更しました。
勝田さんには3人の娘さんがおり、三女の仁美さんは柔道整復師として福岡市内で接骨院を開業しています。仁美さんも整骨院ではなく勝田さんと同じ接骨院の名称を選択しています。「お父さんの影響が大きかったのでしょうね」と尋ねると、「どうですかねえ・・・。しっかり頑張ってもらえればうれしいですね」と勝田さんは表情を緩めます。
勝田接骨鍼灸院に来る患者はスポーツをしている子どもたちから、農家や漁師、高齢者まで幅広い年齢層です。「最近患者さんに『うちの犬が怪我したから診てくれ』って言われてね。犬が高い所から飛び降りたら、足を引きずるようになったらしくて。獣医じゃないから診れないんだけど、先生だったら何とかしてくれるだろうって思ったんでしょうね。でも犬までお願いされるとはなあ」と勝田さんは笑います。
そんなエピソードを笑顔で話す勝田さんですが、スタッフの仕事の話になると今までの柔らかな雰囲気から少しピリッとした空気に変わりました。現在いるスタッフ2名は柔道整復師の資格を持った教え子たち。仕事に対して厳しいのは、患者のためにというのはもちろん、「教え子たちには成長して、いずれは地元に戻って活躍してほしい」という勝田さんの思いがあるからです。
名刺に描かれた勝田さんの似顔絵イラスト
SNSでは「ツルとカメ通信」と題し、日常や診療のこと、休診日のお知らせなどについて発信しています。「ツルとカメ通信」の由来は名刺にも使っているイラストから。スキンヘッドのツルっとした感じと縁起がいい亀を合わせて友人が描いてくれました。
接骨院以外でも地域の人と関わることは多く、60歳を過ぎて会員になったシニアクラブでは、仕事の都合でなかなか参加はできていないそうですが、サークル活動したり、街の花壇の草取りをしたりしています。入会して4、5年経ちますが一番の若手だとか。
「こういう活動があると移住者は地域に入りやすいですよね。私は地元の人になりたいからありがたいです。近所の人が花見に誘ってくれたり、気軽に声をかけてくれたり。福吉は本当に良い方ばかりです」。
優秀賞を受賞した姉子の浜の写真は接骨院の壁に飾られています
福吉で好きなところは、移住の決め手になった海、山があること。「姉子の浜」「串崎」「羽島」「大入」「加茂ゆらりんこ橋」など、どこも景色がきれいで、iPhoneでよく写真を撮る勝田さん。昨年開催された糸島フォトコンテストでは姉子の浜の写真で優秀賞を受賞しました。
山も好きで、「十坊山」や「立石山」「脊振山」「羽金山」「飯盛山」などこの辺りの山は全部制覇しました。特にお気に入りの山は山頂から海が見え、きれいな景色が広がる立石山です。
勝田さんからは地元の人のようにたくさんの地名や場所の名前が出てきます。
「福吉は第二の故郷というか、終の場所だと思っている」と話す勝田さんからは「福吉はいいところ」「福吉は本当に人が良い」という言葉が何度も聞かれ、勝田さんの笑顔からも福吉での暮らしが充実していることが伝わってきました。
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骨折、脱臼、捻挫、打撲など専門の知識があります。ご相談ください。
住所 糸島市二丈吉井4087-4
電話番号 092-326-5790
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姉子の浜
夕日がきれいです。6~8月は仕事終わりに毎日のように眺めて帰ります。
【取材日】2022年2月15日