二丈赤米産直センター

二丈赤米産直センター:吉住公洋さん

福吉のおすすめ
「米も魚も野菜もこんなにうまい所はないですよ。
福吉の人はほぼ毎日最高の素材を食べています 」

取材日:2021年3月7日

古来の食文化を受け継ぐ赤米から「食」の在り方を伝える

国道202号線の吉井交差点から山手に入り、しばらく坂を上った所にある二丈赤米産直センター。

同センターの吉住公洋さんは、玄界灘の青い海を望む美しい棚田で、農薬を使わない米作りを30年以上続けています。

精米の様子

吉住さんが作っているのは、白米、赤米、黒米などさまざまな品種のお米。

そのうち1991年に栽培を始めた赤米は、古来の赤米と現代のもち米を掛け合わせた、オリジナル新品種の赤米です。

この「二丈赤米」は従来の赤米と違ってパサパサ感がなくておいしく、ビタミン、ミネラルが豊富な上、抗酸化作用のあるカテキンを含む健康食でもあります。さらに、栄養価だけでない赤米の魅力を吉住さんはこう語ります。

「赤米をきっかけにして『今の白いお米って何なんだろう』『白米だけでなく玄米もおいしいじゃん』とか、そういう自分たちの食生活のバラエティに目が向く。そこが赤米の一番すごいところなんですよ」。

吉住さんが赤米を語れば、歴史や文化から生態系の多様性…とテーマが広がり話は尽きません。

一人でも多くの人に田んぼのことを知ってもらおうと、吉住さんは年間を通じてさまざまな催しを開いています。

「田んぼに来てもらうことで、田んぼや農地と自分の食卓に上がってくる食べ物がリンクしていることに気付いてもらいたい。自分のこととして考えると農業や食生活への意識が変わってくるのでは」と期待を込めます。

「糸島赤米コメ道場」は、田植えから稲刈りまで全4回を通して米作りを体験する人気のイベント。

コロナ禍の2020年は、数種類の稲を使い「もうひとふんばり」の文字や絵を田んぼに描きました。大人も子どもも泥だらけになって進める共同作業は、なかなか他では味わえない貴重な体験です。

午後は吉住さんたちが準備した虫取り網やルーペを手に、棚田を駆け回る子どもたち。「子どもには土に触れて育ってほしい」という吉住さんの思いがうかがえます。

地元産の食材をたっぷり使った昼食も振る舞われ、農村の食や暮らしをまるごと満喫できる内容が参加者に喜ばれています。

声を掛け合いながら下絵に沿って苗を植える参加者たち
「背負ってみたい」と肥料散布機に子供たちが集まる

棚田から正面を見下ろせば水平線、後ろを見上げれば浮嶽がそびえ、海と山の近さを実感します。

「糸島っておいしい米ができる条件がそろってるんですよね。海からミネラル分がくるし、山つきで標高の高いところも多く気温差がありますから」と吉住さん。

自然の恵みを受けて育つおいしいお米を、できる限り農薬不使用で作ることにこだわり、今年も米作りを続けます。

看板犬の米(ヨネ)ちゃんと棚田を散歩する吉住さん。「天気のいい日に海を眺めながらトラクター走らせるのが最高なんですよ!」と話す

取材をした日、田んぼにはレンゲの花がちらほらと咲き始め、こいのぼりを立てるための杭がずらりと設置されていました。端午の節句が近づくと色とりどりのこいのぼりが棚田を泳ぎ、訪れる人の目を楽しませます。

四季折々、美しい景観を見せる棚田にぜひ足を運んでみてください。

新緑の中悠々と棚田を泳ぐこいのぼり
8月の棚田。日の光をたっぷり浴びて稲が青々と育つ

写真提供「二丈赤米産直センター」

 

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