糸島福吉 HATAMA Gallery 畑間孝雄さん、啓子さん

畑間さんご夫婦。啓子さんと孝雄さん。愛犬ナイル、シロ

 

世界中から旅行客が訪れる民泊施設。歩いて海に行けるぜいたくな環境

大きな白いガレージが目印、糸島福吉 HATAMA Galleryは、JR筑肥線福吉駅から徒歩3分の民泊施設です。オーナーである畑間さんご夫婦は、自宅にあるガレージの2階を改装し2015年から民泊施設として、世界中の旅行客を受け入れてきました。

もともと大手広告代理店の営業マンとして働いていた夫の孝雄さん。糸島市への移住のきっかけは福岡への転勤だったといいます。セカンドライフまで考えながら家を探した際に、妻の啓子さんの実家が近く、自然豊かな福吉に理想の物件を見つけます。「2人ともお酒が好きだから駅に近いことが第一条件(笑)。そして、以前住んでいた鎌倉も海に近くて、犬と散歩するのが日課だったから、海に近いところがよかった」と孝雄さんは話します。

白いガレージの2階が宿泊スペース【写真提供 糸島福吉HATAMA Gallery】

3人の息子さん家族が帰省するために整えた部屋を、「普段活用できないか」と考えていた時に、息子さんから「きっと向いているから」と提案されたのが民泊を始めるきっかけでした。世界191カ国以上の宿泊施設を紹介しているサイトAirbnb(エアビーアンドビー)に登録してすぐに宿泊予約が入ったそうです。

「初めてのことで不安だったのでは」と尋ねてみると、啓子さんからは予想外の答えが。「予約が入ってわくわくしたの。何も分からなかったけど、まずはシーツをお洗濯して。それから部屋を整えて…」と当時のことを楽しそうに話します。清潔感があり、ゆっくりと過ごせるよう整えられた部屋は、快適だと評判です。

大きな窓があり明るいゲストルーム。12畳の和室で広々。TV、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン完備。フリーWi-Fi対応

これまでに25カ国、約1000人のゲストを迎えてきました。宿泊したゲストが書き残したノートには、「海から見える朝日のすばらしさ」や「プライベートビーチに感動した」という感想とともに、「居心地のよさ」や「二人の人柄を慕う」メッセージもたくさん。「このノートが、私たちにとって何よりも大切な宝物なの」と啓子さんは目を細めます。宿泊後もSNSを通じてつながっているゲストもいるそうで、リピーターも多いといいます。畑間さんご夫婦は、宿泊したゲストの感想を聞くたびに、改めて「歩いて海に行けて、近くに山もある環境がぜいたくだ」と福吉のよさを実感しているようです。

海から見える朝日。神秘的【写真提供 糸島福吉HATAMA Gallery】

これまでに宿泊したゲストが書き残した思い出ノート【写真提供 糸島福吉HATAMA Gallery】

宿泊するゲストルームには、こだわりの絵が飾ってあります。孝雄さんは高校生の頃、美術部だったそうで、その時の絵や息子さんが描いた絵などが並んでいます。「だから、糸島福吉HATAMA Galleryです」と名前の由来を教えてくれました。ガレージの1階にも絵や写真がたくさん。絵を眺めているだけで、時間がゆったりと流れるようです。

ゲストルームの絵

孝雄さんは、地域の人から畑を借りて野菜や柑橘類を作っています。民泊で出すウェルカムフルーツも自家菜園のもの。「師匠にいろいろ教えてもらってね」。うまく収穫できた時は、喜びもひとしおです。孝雄さんが収穫した野菜や柑橘類を「子ども食堂」に届けたり、加工してママレードにしたりするのは啓子さんの役目。こうした恵まれた環境も地域の人のおかげだとお二人は話します。

孝雄さんが収穫した甘夏

「いつも温かく迎え入れてくれる地元に何か恩返ししたい」という思いから、地域の仕事にも積極的に参加しているお二人。孝雄さんは、運転手、啓子さんはバスの補助として、福吉自主運行バスのボランティアにも関わっています。「色んな人と出会えて楽しいですよ。最近では、利用される方の顔と名前が分かるようになって、なんかいいですね」と話す姿は地元愛に溢れていました。

世界の人や地元の人とのつながりを宝物にセカンドライフを満喫しているお二人。「ナンバーワンより、オンリーワンの生活を」と孝雄さんが話していたように、これからも、二人の世界は広がっていくことでしょう。

福吉自主運行バスのボランティア中の啓子さん

糸島福吉 HATAMA Gallery 畑間孝雄さん、啓子さん

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【取材日】2023年1月14日