福吉でゆったり味わう会津の味
県道143号線沿い、田んぼのそばにひっそりとたたずむ「会津らーめん磐梯山(ばんだいさん)」。福島県出身のご主人・星数吉さんと、大分県出身の妻・松子さん夫婦が営む、九州では珍しい会津ラーメンのお店です。
ご主人の数吉さんは、故郷の南会津から就職で東京へ。その後、福岡に転勤となります。東京から福岡へ来た時、糸島の海の美しさに感動し、一緒に来ていた同僚とスーツ姿のまま思わず海へ入ってしまったとのこと。また、ずっと釣りたかったチヌを釣り上げ、釣りのおもしろさに目覚めたのも、糸島の海だったそうです。
子どもたちが独立したのをきっかけに、長年勤めていた会社を退職し、福岡市内でラーメン屋を開店した数吉さん。ラーメン屋は非常に繁盛したそうですが、多忙のあまり、2年で店を畳むことにしました。その後、そろそろ夫婦でゆっくりしたいと、趣味の釣りとゴルフが楽しめる糸島に移り住み、お店を開いたそうです。
松子さんと二人、のんびりやっていきたいということで、福岡市内のお店では醬油・味噌・塩の3種類だったスープを、醬油の1種類に限定。テレビやラジオの取材も断られているそうです。自称「変わり者」だそうですが、義理堅く人情に厚い人柄で、いろんな人に愛される数吉さん。遠くから数吉さんのラーメンを食べに足を運んでくれる、長い付き合いの人も多くいます。
写真提供:会津らーめん磐梯山
「会津らーめん磐梯山」の1番のこだわりは、野菜、鶏ガラ、豚骨を24時間煮込んだスープ。あっさりしているのにコクがある、じんわりとしみわたるようなおいしさです。
「24時間の中で、どのタイミングで火を強めたり弱めたりするか、毎日いろいろ試してみて、自分の口でおいしいと思うスープができたのはつい最近よ」と語る数吉さん。
会津ラーメンの特徴でもある、太めのちぢれ麵はもちもちで、自家製のチャーシューは、厚みがありとろけるようなやわらかさです。脇役になりがちなモヤシにもこだわっており、モヤシ発祥の地・長崎県産の、熱を加えてもしんなりしないものを使用。最後までシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
広々とした店内には、「お客様にゆったり食べていただきたい」ということで、大人6人がゆったり座れるテーブル席が4つと、掘りごたつ式の座敷席が2つ。まるで田舎のおばあちゃんの家に来たような懐かしさと居心地の良さです。
また、店内には、会津に縁の深い白虎隊ののれんや新撰組の法被、土方歳三の本などがありました。奥会津の地酒「國権(こっけん)」「男山」「會津」も揃っており、糸島にいながら会津気分を味わえると評判です。ちなみに店名の「磐梯山」は、福島県にある「会津富士」と呼ばれる美しい山で、数吉さんがバイクでよくツーリングしていた思い出の場所なのだそうです。
数吉さんの作るこだわりのラーメンと松子さんの温かい笑顔が迎えてくれる「糸島の中の会津」で、ゆったりした時間を過ごしませんか。
※数吉さんの「吉」は正しくは“土に口”
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会津らーめん磐梯山
福岡県糸島市二丈吉井2921-1
092-326-6224
営業時間 11:30~18:00
定休日 木・金(祝日は営業)
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【取材日】2022年12月27日