福吉ふれあい朝市 代表 山﨑キヌ代さん
福吉のおすすめ
福吉生まれのはるか。(日向夏と甘夏柑の自然勾配で偶然生まれた品種)
取材日:2021年7月4日
長年愛される、おばちゃんたちの人柄と新鮮野菜に会える日曜朝市
JR筑肥線福吉駅近くの国道202号沿い。走る車が少ない日曜の朝6時半ごろ、JA糸島福吉支店の敷地には「福吉ふれあい朝市」を目当てに、地元のお客さんが15人ほど集まっています。商品ケースには、色鮮やかな夏の旬のトマトやナス、スイカ、モロヘイヤ、カボチャ、ジャガイモなどの野菜、梅干しやキュウリの粕漬けなどの加工品が並び、10種類ほどの切花も置いています。
手押し車のおばあちゃんや、甚平を着た子どもなど近所の人が集まる
ゴボウや紫タマネギ、イモヅル、卵なども並ぶ
2玉3玉と買っていく人もいる人気のスイカ。小さいサイズは150円とお得。
朝市の魅力は何といっても直接生産者から商品を買えて、屈託のない会話ができること。6年ほど前からこの朝市に来ている上深江在住のご夫妻は「珍しい野菜があったらおばちゃんたちに食べ方をすぐ聞けて教えてくれるのがうれしい」と話します。「お漬物を置いていないことを尋ねたときには、すぐ生産者に電話して持って来てくれました」という対面販売ならではのエピソードも。
常連さんおすすめの吉丸恵美子さんの手作り梅干し。もう少しするとラッキョウ漬けも並ぶ。
長田芳子さんの作る粕漬けや高菜漬けは商品が並ぶ前に売り切れるほどのおいしさ
市丸真佐江さんが夫婦で出荷する切花は種類が豊富
出荷者であり、福吉ふれあい朝市を運営しているのはJA糸島女性部の7名です。朝市の他、福ふくの里や伊都菜彩にも出荷しています。代表の山﨑キヌ代さんは、地元福吉の農家に嫁ぎ夫婦で農業一筋。10棟のビニールハウスで、夏はナスやスイカ、トマト、カボチャを栽培しています。取材した日は、朝市の前に福ふくの里へ出荷作業を行ってきたそうで休む間もない忙しさに驚きました。山﨑さんは「農業は体力あってこそ」と40度超えのビニールハウスで笑顔を見せます。
福吉ふれあい朝市代表の山﨑キヌ代さん。朝5時半からビニールハウスに入り、夫と息子とともにナスの収穫や整枝作業を行う。
朝市で人気のスイカも栽培。品種は虎太郎スイカで中玉でもずっしり重い。収穫は7月中旬~8月上旬までと短い。
お客さんが「おいしい」と話すJA糸島女性部の朝市メンバーの野菜は、EM(有用微生物群)菌を使った肥料を使うのが特徴です。この肥料は年に4~5回、JA糸島アグリで、米ぬか、魚粉、油かすを混ぜ、そこにぬるま湯で溶いたEM菌と糖蜜を合わせたものを加え、混ぜ合わせ作っています。各自持ち帰り、1ヵ月ほど寝かせて発酵させ、定植前に土と混ぜ合わせて土質を高めます。13年ほど前から取り入れており、この栽培でできた野菜は「味が濃くておいしい。花の色も鮮やか」と山﨑さんは話します。
今年で28年目の「福吉ふれあい朝市」は、「自分たちで作った野菜などを直接販売できる場所があったら」と平成6年(1994年)に始まりました。当初は朝市が珍しく、太宰府市や大野城市からお客さんが来たそうです。
客足が落ち着くと一息付くメンバー。「昔は漁業会の女性も一緒に朝市に出て魚を売っていた」と教えてくれた。
今のメンバーは結成当初から在籍。長く続けてきた秘訣を聞くと「お客さんに会える楽しみがあるのと、みんなが集まって週に1度話せるのがうれしい」と口をそろえます。山﨑さんは「今はみんなスローで動いているけど、始めたときは腰もしゃきっとしとったよ。いつまで続けられるか分からないけど少しでも長く続けていきたい」と明るく語ります。
お客さんがオープン前から待ってくれていたり、商品を置く台のセッティングを手伝ってくれたりと、地元に愛されている「福吉ふれあい朝市」は、福吉の人たちの暮らしの一部になっています。
集合写真を撮るとき「よかよか、孫にしとこう」と言って、連れて行った私の息子を一緒に写真に入れてくれたフレンドリーで温かい福吉ふれあい朝市メンバ―の皆さん。ぜひ朝市に足を運んで会いに行ってみてください。
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安心安全でおいしくて安い!旬の野菜を並べてお待ちしています。
【福吉ふれあい朝市】
開催日:毎週日曜日 6時40分ごろ~9時00分ごろまで
(雨天決行:年末年始は休)
場所:JA糸島福吉支店(糸島市二丈吉井4086-1)