福吉の浜風に吹かれて のびのび野球をする子どもたち
潮の香り漂う福吉しおさい公園の野球場に、元気な子どもたちの掛け声が響いています。真夏の照りつける太陽の下、少年野球の練習試合が行われていました。福吉の少年野球チームと言えば、創設40年の歴史を誇る「福吉レッズ」。青い空と緑の松林を背景に、真っ赤なユニフォームが目を引きます。浜風に吹かれて、のびのびと練習に励む子どもたち。みんなの笑顔は太陽に負けないくらい元気いっぱいです。
メンバーは小1〜6年生の男女合わせて14名。全員が福吉小学校に通っています。通常は監督とコーチ3名が指導を行っていますが、練習の準備など保護者のサポートも欠かせません。みんなで野球に協力し合っています。
少人数の福吉レッズは、上級生と下級生がいつも一緒に練習をしています。みんな仲が良く、けんかをしてもすぐに仲直り。上下関係の厳しさはなく、なれ合いが過ぎてメリハリがないところも見られるそうですが、それも福吉レッズの良さなんだとか。
取材の日、低学年の子が言うことを聞かず、上級生に注意され涙する場面がありましたが、なるべく子どもたちだけで解決できるよう、大人は事の成り行きを少し離れたところから見守って自主性を尊重している様子でした。
野球のどんな時が楽しい?と聞くと「盗塁を刺した時や選球が作戦通りに決まってバッターを抑えた時」「相手から三振を奪った時」。そして、「野球は面白い!」と口々に言う子どもたち。
簡牛(かんぎゅう)さんは、息子さんが小1の時からコーチを勤めて6年目。家でも息子さんのキャッチボールやトスバッティングの相手、体幹トレーニングを一緒にするなどいつも親子で野球の練習をしています。「野球を通じて相手への思いやりの心が育まれたと感じます。自分のことは自分でできるようになってきた」春に卒団する息子さんの成長を実感していると言います。
「自分だけではなく、仲間のことを大事にする心や礼儀。チームメイトや監督、保護者に対して感謝する気持ちを忘れないでほしい。チームの仲間がいなければ野球はできないのだから」と、ラグビー経験者の簡牛さんはワンフォアオールの精神を野球にも取り入れていきたいと話してくれました。
小学生の頃から厳しい上下関係の中で野球をしてきたというコーチの田中さんは、監督やコーチになれなれしく接する福吉レッズの子どもたちを見て、最初は「ふざけてるな〜」と思っていましたが、今では新しい子も仲間に入りやすい仲の良い雰囲気が福吉レッズらしさだと思えるようになったそうです。
「指導で大切にしていることは、感情的にならないこと。頭ごなしに怒らないよう気をつけています。わざとエラーをする子はいませんよね、子どもたちの一生懸命を認めて、うまくいかなかった理由を具体的かつ論理的に説明します。その後で、高学年の子どもたちには、どうすれば良かったのかを自分で考えるよう指導しています」と田中さん。
田中さんに福吉レッズの子どもたちにどんな風になってほしいか尋ねると、「野球の技術の向上が見られた時もそうですが、恥ずかしがり屋だった子が外で会った時に、大きい声で挨拶できるようになった姿を見ると、人として成長したな…と感じます。挨拶を自分からしたり、人の話をきちんと聞いたり、それらがしっかりできるようになってから卒団してほしいです。そして、何より野球を続けていってほしいですね」と力強く語ってくれました。
野球場のバックネット裏には福吉レッズの部室があります。中には歴代のトロフィーや写真がずらりと飾られており、40年の歴史が感じられます。道具を片付ける度に目にするので気合も入りそうです。
先輩たちに負けないように、今日もガンバレ!福吉レッズ!!
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海の近くで野球の練習ができます。景色も潮風も気持ちいいですよ。
福吉レッズ
監督: 田中勇次
練習日:火曜、水曜 16:30〜18:00(小4、5、6年のみ)
土曜 8:00〜12:00(全学年)
日曜 試合 ほぼ毎週(全学年)
場所:福吉しおさい公園 野球場
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【取材日】2022年7月24日