福吉の野菜がたっぷり。季節を感じる料理と心温まる接客に癒されるカフェ
大入駅のすぐ近くにある自宅兼カフェ、杏のコーヒー惣菜屋さん。入口まで続く色とりどりの花を楽しみながら、お店のドアを開けると「いらっしゃいませ」とカフェを切り盛りしている古藤洋子さんが、明るい声で迎えてくれました。
季節の植物に囲まれた入口が目印
杏のコーヒー惣菜屋さんでは、曜日や季節によって出会うメニューが違うのも魅力です。曜日によって和食・洋食が変わる数量限定のモーニングプレート、土曜日はオムライスランチと絶品たまごコロッケが食べられます。
日曜日は惣菜と弁当の日。糸島の採れたて野菜を使ったサラダや揚げ物などのおかず、パスタ弁当、ハンバーグ弁当など、必ず毎週メニューを変えて用意しています。
冬はおでんセット、夏は冷たい麺類など、内容は季節やその時の食材に応じてさまざま。どんな料理に出会えるかが楽しみで、毎週通うお客さんも少なくないのだとか。
店内には海を眺められるカウンター席が2席ありますが、お店のメニューのほとんどをテイクアウトできるので、家でゆっくり楽しむのもおすすめです。
メニュー
料理が好きで、ずっとカフェを開くのが夢だった古藤さん。子育てがひと段落してから、福岡市内にある専門学校のカフェコースで半年間、カフェの経営などについて学びました。その後、近所のスペースを借りてカフェを開いていましたが、コロナ禍と自身のけがが重なって閉店。またお店を出すか迷っていた時に、常連さんからの「また食べたい」という声に背中を押され、2022年4月、自宅の一部を改装して再オープンしました。
「このお店は常連さんのおかげでできたので、感謝しかありません。せっかくなら好きなものを食べて満足してほしいので、リクエストや好みを聞いています」と、常連さんを大事にしていることが伝わってきます。
カウンター席から見える海 目の前には桜の木も
「このお皿にのっているものは、ほとんど地元の野菜ですよ」と、古藤さんがモーニングプレートを持ってきてくれました。
古藤さんは小学生の頃から福吉で過ごしており、野菜の多くは幼なじみの農家から仕入れています。時には自宅前の畑で育てた野菜や果物を使うことも。お肉は国産のものを使い、安心安全な食材にこだわっています。
福吉の野菜たっぷりモーニングプレート
お店の看板メニューは、野菜の旨味を感じるチキンライスにとろとろの卵が絶品のオムライス。平日は事前に予約をすれば2点からテイクアウトでき、土曜日はスープとサラダ付きのオムライスランチを食べられます。
土曜日限定の惣菜「絶品たまごコロッケ」は何度も試作を重ねた自信作。どこか懐かしく感じる優しい味のコロッケはいくつでも食べられそう。
土曜日限定!スープとサラダ付きオムライスランチ
土曜日限定!絶品たまごコロッケ
杏のコーヒー惣菜屋さんでは、いつでもこだわりのネルドリップコーヒーが楽しめます。ネルドリップのコーヒーは布製のフィルターを使用して1滴1滴丁寧に抽出しているので、ペーパードリップのものより雑味が入りにくく、まろやかな味になるとのこと。
豆にもこだわっており、自家焙煎している友人にオリジナルブレンドを作ってもらっています。
せっかくなので、お得なコーヒーと手作りスイーツのセットを注文してみました。飲んでみると柔らかい口当たりにすっきりした後味、苦みや酸味のバランスが絶妙で、甘さ控えめのスイーツとも相性抜群でした。
何より目の前に広がる海を眺めながら、コーヒーを飲む時間は至福の時。その日は、福吉小学校の下校時間とも重なり、海をバックに元気な子どもたちが踏切を渡る姿が微笑ましかったです。
ネルドリップコーヒーと手作りスイーツセット
「糸島市外から訪れるお客さんとの出会いも楽しみの一つ」と話す古藤さん。心に残っているエピソードを話してくれました。
ある日1人で来店した女性のお客さんに「大入の海は何もないでしょう?」と声をかけると、「何もない海だから癒されます」という言葉が返ってきました。古藤さんはその言葉に、改めて大入の海の良さに気付き、感動したそうです。
また、東京から遊びにきた新社会人の男性3人組には、糸島での思い出の一つになればと、スイーツに自宅で採れたさくらんぼを添えて喜ばれたことも。
「やっぱり人が好きで、料理が好きです。お客さんが満足して帰っていく姿を見ると、また頑張ろうと思えます」と、さっそく来週のメニューを考える古藤さん。どんなメニューに出会えるかを楽しみに、杏のコーヒー惣菜屋さんを訪れてみませんか?
目の前に広がる海と心温まる接客にも癒されますよ。
福吉のおすすめ
・自然に恵まれていて、海も山も楽しめること。
・春は山菜を採ってきて料理に使い、自然の恵みを味わえるところ